約200坪の工場跡地、土の中に潜む1,000万円のリスク

見えない土の中に1,000万円のリスク?工場跡地の土壌汚染を考える
現在、都内にある土地約200坪の倉庫について、購入を検討しています。
当社の役目は、購入後に土地を分筆できるよう、隣接地所有者から境界確認書を取得することです。
ところが、物件について調べていくと、この場所では以前、工場が操業していたことが分かりました。
昔は工場だった土地
工場自体は随分前に廃止されています。
区役所で昭和60年台の工場廃止届を確認したところ、鉛については使用の有無が不明、それ以外の汚染物質は使用していないという届出内容でした。
「鉛を使用していた」と確定しているわけではありません。
一方で、「使用していなかった」とも確認できないため、購入を判断するうえでは、土壌汚染の可能性を無視できません。
汚染がなくても調査費用はかかる
そこで、専門業者に土壌調査と、汚染が確認された場合の対策費用を概算してもらいました。
- 地歴調査・資料調査:約40万円
- 土壌調査・採取・分析:約100万円
- 報告書作成・行政対応等:約25万円
調査の結果、汚染が見つからなかった場合でも、合計で約165万円かかります。
鉛汚染が確認された場合
もし鉛汚染が確認された場合は、まず汚染範囲を特定するための追加調査が必要です。
- 汚染範囲の追加調査:約80万円
- 汚染土の掘削・積込み・運搬・処分・埋戻し:約800万円
今回の概算は、工場床下の一部約100㎡、深さ1mまでの土を処理する前提です。
調査から汚染土の処分まで含めると、総額は約1,000万円超になります。
問題は、汚染の範囲が分からないこと
ただし、これはあくまで限定した範囲での試算です。
実際に汚染物質が見つかった場合、汚染が工場の建物下だけにとどまっているとは限りません。
敷地全体に広がっている可能性もありますし、深さ1mより下まで調査や掘削が必要になることも考えられます。
調査範囲や汚染の深さ、搬出する土の量によって、費用は大きく変わります。
工場跡地だから危険とは限らない
土壌汚染の難しいところは、地上から見ただけでは分からないことです。
建物の状態や境界、接道状況は現地である程度確認できますが、土の中までは調査しなければ分かりません。
だからといって、「昔は工場だった」という理由だけで、直ちに危険な土地と判断するのも適切ではありません。
大切なのは、過去の利用状況や行政への届出を確認し、考えられるリスクと費用を購入前に整理しておくことです。
見えない費用まで想定して価格を決める
不動産の価格は、土地の広さや立地だけで決まるものではありません。
今回のような物件では、見えない土の中に、1,000万円単位のコストが隠れている可能性もあります。
「何も出なければ問題ない」ではなく、「もし見つかったら、どこまで費用を負担できるのか」。
そこまで想定して初めて、購入してよい価格が見えてきます。
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