田舎の実家は処分できる?古い家屋と広い土地を処分する方法とは?
「田舎の実家は処分しにくい」と言われますが、適切な方法を選ぶことで比較的スムーズに処分することも可能です。
具体的に、田舎の実家を処分するための主な方法は次の通りです。
・仲介会社を通しての売却
・不動産会社への直接売却
・空き家バンクへの登録
・近隣・国・自治体への寄附
・相続放棄の選択
・引き取り業者の利用
上記の中から、田舎の実家を処分するのに適した方法は、多くの場合「引き取り業者の利用」です。
その理由も含めて詳細を解説します。
田舎の実家の処分方法 代表的な6つのケースをご紹介
ひと口に「田舎の実家の処分」といっても、条件によって選択すべき方法が変わってきます。
ここでは、代表的な6つのケースをご紹介します。
ケース1.田舎にあっても条件がよい実家
【処分方法】仲介会社を通しての売却
田舎の実家は「その物件を欲しい」と思う人がなかなか見つからないのが普通です。
しかし、田舎にある物件でも下記の条件にあてはまるなら、不動産会社に仲介を依頼すると比較的、短期間で買い手がつきやすいです。
・街の中心部にある物件
・高速道路のインターチェンジ近くの物件
・大規模な工場やショッピングセンター近くの物件
・大型開発が行われる近隣の物件
・役所の近くの物件 など
ケース2.仲介による売却ができなかった実家
【処分方法】不動産会社への直接売却
いくつかの仲介会社に売却を依頼したものの「買い手が見つからなかった」という物件は、不動産会社へ直接売却するのがよいでしょう。
ただし、仲介による売却よりも価格がかなり下がることが多いので(例:仲介による売却価格の50〜80%程度など)、その点は留意しておきましょう。
ケース3.移住者が増えている田舎にある実家
【処分方法】空き家バンクへの登録
移住者が増えている田舎に実家があるなら、自治体などが運営する「空き家バンク」に物件を登録するのも一案です。
空き家バンクは、公式サイト・広報誌・イベントなどを通じてその自治体内の空き家を紹介する仕組みです。
仲介会社を通しての買い手探し(売却)と併行しながら登録することも可能です。
ケース4.売却や直接買い取りでは処分できなかった実家
【処分方法】近隣・国・自治体への寄附
仲介会社を通しての売却、不動産会社への直接売却ができなかった田舎の実家は、寄附による処分も考えられます。
まずは、近隣の個人・法人・団体にお声がけをしてみて、処分できない場合は国・自治体への寄附を検討してみましょう。
*空き家の寄附を受け付けていない自治体もあります。
*国に土地を寄附する国庫帰属制度は、要件が厳しく、まとまった負担金が必要です。
ケース5.最近、相続したばかりの実家
【処分方法】相続放棄の選択
最近、相続したばかりの田舎の実家を「最短期間で手間なく処分したい」なら相続放棄を選ぶ方法もあります。
相続放棄は「相続の開始があったことを知ったときから3カ月以内」なら行えると解説されることも多いですが、実際には、この期間を超えても家庭裁判所が認めれば相続放棄ができるケースもあります。
ケース6.ほかの方法では処分できなかった実家
【処分方法】引き取り業者の利用
売却や寄附など、様々な方法を検討したものの処分できなかった田舎の実家は、不動産の引き取りサービスを利用するのがおすすめです。
引き取り条件は業者によって異なりますが、一般的な不動産会社では扱えない条件の物件でも、料金を支払えば確実に引き取ってもらえます。
引き取り可能なエリアは業者ごとに違いますが、郊外や田舎など不便な場所にあって、さらに敷地内に倒壊寸前の家屋があるような物件でも処分してくれます。
田舎の実家の処分を「引き取り業者」に依頼すべき5つの理由
ここまでご紹介してきたように、田舎の実家の処分方法には様々な方法があります。
ただ、以下のような条件の物件は「引き取り業者」に依頼するのがおすすめです。
・売却や買い取りだと買い手が見つからない
・敷地内に倒壊寸前の家屋がある
・短期間で処分したい
・未登記物件である
・敷地内に残置物がある
これらの物件を処分する際、引き取り業者に依頼すべき理由は次の通りです。
理由1.買い手が見つからない実家でも引き取ってもらえる
仲介による売却や不動産会社の直接買い取りが難しい田舎の実家でも、引き取り業者に依頼すれば確実に処分できます。
費用はかかりますが、固定資産税や管理費用の負担がなくなることを考えれば、長期的にはプラスというケースも多いのではないでしょうか。
仮に、引き取り費用が50万円かかったとしましょう。
実家の維持費用(固定資産税、草刈り、雪下ろし、町内会費など)に年間10万円かかっているなら5年で元が取れる計算になります。
理由2.倒壊寸前の家屋のある実家でも引き取ってもらえる
売却や買い取りなどで田舎の実家を処分しようとしても、家屋が傷んでいたり古かったりすれば、更地にしないと扱えないというケースもあります。
引き取り業者を利用すれば、更地にしなくても家屋とセットで引き取ってくれます。
理由3.スピーディーに実家を処分できる
売却・空き家バンク・寄附などの方法で田舎の実家を処分する場合、買い手や引き取り先が見つかるまで、それなりの期間を要することがほとんどです。
さらに契約書を作成して取り交わすなどの手間もかかります。
一方、引き取り業者を利用すれば、1カ月以内などの短期間で実家の処分が可能。
業者によっては必要な書類さえ揃っていれば、最短3日程度で処分が可能なところもあります。
理由4.未登記の実家でも処分できる
一般的な不動産売買では、未登記物件を扱うのは難しく、買い手を探す前に登記手続きをしなければなりません。
登記を行うには専門家を見つけたり、面談をしたりといった手間を要します。
引き取り業者を利用する場合でも、物件の登記をするのが基本ですが、業者と契約している司法書士などの専門家がサポートしてくれるケースが多いのでスムーズです。
*登記のサポートがあるか否かは引き取り業者によって異なります。また、登記には費用(登録免許税+専門家の報酬)がかかります。
理由5.敷地内の残置物の撤去にも対応してくれる
実家の敷地内や家屋内に残置物がある場合、これらを撤去した後でないと売却や買い取りが難しいこともあります。
引き取り業者なら、残置物があるままの状態でも田舎にある実家を処分することが可能なので手間がかかりません。
*残置物の処理をしてくれるかは業者によって異なります。また、残置物を処理するための費用がかかります。
田舎の実家の処分を「引き取り業者」に依頼する際の注意点
この記事をお読みになって、「田舎の実家の処分は引き取り業者にお願いするのがよさそう」と感じた人もいらっしゃるでしょう。
引き取り業者を利用する際の注意点としては、業者によって「営業エリアが異なる」「料金体系が異なる」などが挙げられます。
まず、対応できる営業エリアについては、「全国」「首都圏対応可」「××地方」など業者によって設定が異なります。
そのため、問い合わせる前に公式サイトなどで「実家のあるエリアに対応している業者か」を確認したほうがよいでしょう。
また、料金体系については「個別見積り」「一律料金」「固定資産税の数十年分」など業者によって設定が異なります。
複数の引き取り業者に見積り依頼をした上で、納得できる料金とサービス内容を提示してきた業者を選ぶとよいでしょう。
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