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アパートの建て替えが理由の立ち退きを拒否された 正しい対応を徹底解説!

老朽化したアパートの建て替えを予定しているけれど、入居者に立ち退きを拒否されて困っているというオーナーに役立つ記事です。

立ち退き拒否にどう対応するかで、その後、トラブルに発展するかどうかが決まってきます。

この記事の前半では、アパートの建て替えで立ち退きを拒否されたときの流れ、後半では立ち退き拒否への正しい対応を徹底解説します。

アパートの建て替えで立ち退きを拒否されたときの流れは?

はじめに、どんな状況だとアパートの建て替えで立ち退き(賃貸借契約の終了)が可能なのか、立ち退きを拒否されたときの流れはどのようになるかを把握しましょう。

滅失・朽廃したアパートは建て替えが理由の立ち退きが可能

アパートの賃貸人は借地借家法で手厚く守られているのが基本です。

ただし、正当事由があると認められる場合は、賃貸借契約の解約、または契約更新を拒絶することが可能です。

正当事由として認められる代表的な事例はいくつかありますが、その中のひとつが今回テーマの「アパートの建て替え」です。

ただし、すべてのアパートの建て替えが正当事由になるわけではありません。

判例を元にすると、建物が滅失(なくなること)または朽廃(建物が古くなり役に立たなくなる状態)した場合に賃貸借契約は当然に終了するものと解されるとなっています。
参考:最高裁判所判例集「事件番号:昭和31(オ)225」*最高裁による上告棄却の判例

以上を踏まえると、建物の老朽化が著しく、現時点で倒壊の危険があるようなケースでは、建て替えが正当事由として認められやすいと考えられます。

立ち退き拒否があると交渉の手間が増える

一般的な立ち退き交渉の全体の流れ(立ち退き拒否があった場合)は以下のとおりです。

1. 立ち退きの意思の伝達(内容証明の送付など)
2. 立ち退き理由の説明、賃借人の個々の事情をヒアリング
3. 立ち退き条件の提示、話し合い(→通常はその後、退去手続き)
4. 立ち退き拒否
5. 弁護士などを交えた交渉
6. 民事調停・裁判

立ち退き交渉を行ったところ、入居者がそれに応じてくれれば、上記のうちステップ1〜3で完了します。

しかし、入居者が立ち退き拒否を示した場合は、ステップ4〜6が加わります。

その場合、立ち退きの正当事由として認められやすいアパートの建て替えによる立ち退き交渉といえども、相当の期間と費用を確保しなければなりません。

ただし、入居者が立ち退き拒否をしても正しい対応をすれば、4〜6に発展することはなく、最小限の負担で済みます。

このように全体の流れで見ると、立ち退き拒否をされたときの対応がいかに重要かを実感できます。

では、具体的に立ち退き拒否にどのように対応するのがよいのでしょうか。

次項でポイントを確認しましょう。

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アパートの建て替えで立ち退きを拒否されたときの対応策

もともと立ち退き交渉は慎重に行う必要がありますが、拒否された場合はより細心の配慮をもって進めなくてはなりません。

ここでの対応を間違えると本格的なトラブルに発展して、立ち退き交渉が長期化・複雑化する可能性が高まります。

最善策はケースバイケースですが、以下のような対応が効果的と考えられます。

対応策1.建て替えが正当事由であることを丁寧に説明する

この記事の冒頭でお話したように、アパートの建て替えは立ち退き(賃貸借契約の終了)の正当事由になりやすい内容です。

立ち退き拒否をしている入居者に対し、そのことを丁寧に説明することで、調停・裁判に発展しても利益にならないことを理解してもらいましょう。

合わせて、著しく傷んでいるアパートに住み続けることで、地震発生時の倒壊など危険が及ぶ可能性があることを理解していただけるよう最大限の努力をしましょう。

対応策2.賃借人の事情を丁寧にヒアリングする

オーナーの都合を一方的に説明するだけでは、立ち退き拒否を示す入居者の態度を軟化させるのは難しいでしょう。

このようなケースでは、入居者が立ち退きを拒否する事情を丁寧にヒアリングすることで、突破口が見つかることもあります。

例えば、オーナーは立ち退き料が足りないので拒否しているようだと思い込んでいました。

しかし、実際に入居者に事情を聞くと「仕事が多忙でアパート探しの時間がない」のが立ち退き拒否の理由といった具合です。

前出の「対応策1」と合わせて考えると、立ち退き拒否をした入居者との交渉は「アウトプット(丁寧に説明する)」「インプット(丁寧に聴く)」この両輪が重要です。

対応策3.立ち退き料以外のメリットを提示する

入居者が立ち退きを拒否する場合、立ち退き料以外のメリットを提示する方法もあります。一例では次のとおりです。

  • 退去までの家賃を請求しない
  • 敷金の全額を退去前に返還する
  • 原状回復費を求めない など


  • 上記のメリットを一度にまとめて提示する方法もありますし、入居者の反応を見ながら追加していく方法もあります。

    どちらの選択がよいかはケースバイケースです。

    対応策4.立ち退き料の一部を前払いする

    立ち退き料の金額ではなく、支払うタイミングが立ち退き拒否の理由になっているケースも考えられます。

    とくにアパートの家賃が安く低所得の入居者が多い場合、手元資金がないので移転が難しいことも考えられます。

    一般的に、立ち退き料は立ち退き後に支払いますが、手元資金がない入居者に対しては「引っ越し代+移転先のアパートの初期費用」を先払いするのも一案です。

    たとえ同じ金額の立ち退き料でも、支払うタイミングを変えるだけで、入居者の反応が変わってくる可能性があります。

    対応策5.住宅弱者の物件探しの相談にのる

    立ち退き拒否をする入居者のなかに「住宅弱者」がいる場合は、物件探しの相談にのったり、物件を紹介したりすることで、相手方の態度を変えられる可能性もあります。

    住宅弱者とは、住宅を自力で確保しようとしても困難な人々の総称です。

    法的には「住宅確保要配慮者」と呼ばれ、住宅セーフティネット法では以下のように定義されています。

  • 低額所得者
  • 被災者
  • 高齢者
  • 障害者
  • 子どもを育成する家庭
  • 参考:イミダス「住宅弱者

    こういった住宅弱者は、アパートの建て替えが理由の立ち退きを求められても、そう簡単に移転できません。

    住宅弱者に対して賃貸人が相談にのったり、サポートをしたりすることで立ち退き拒否の態度を軟化させることも可能でしょう。

    具体的なサポートとしては、別のアパートを近隣に所有しているなら、そちらへの引っ越しを案内する、信頼できる不動産会社があるなら紹介するなどが挙げられます。

    対応策6.調停や裁判も視野に入れる

    立ち退きを拒否されたということは、今後、トラブルに発展する可能性があるということです。

    ここまでオーナー自ら交渉してきた場合は、これを機に交渉窓口を弁護士に切り替えることをおすすめします。

    とくにアパートの建て替えという正当事由が認められやすい事情があるにもかかわらず、立ち退き交渉に一切応じないような入居者がいる場合は、交渉のプロである弁護士に依頼するのが望ましいでしょう。

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    立ち退き交渉が面倒なオーナーは売却する選択も

    この記事で解説してきたように、立ち退き交渉は「立ち退き拒否」の入居者がいると、手間・時間・費用が一気に増えてしまいます。

    このことを踏まえると、アパートの建て替えは、更地に新規でアパートを建てるよりも、かなりのハンデを負っています。

    「高額の立ち退き料を負担したくない」「立ち退き交渉が面倒」といった人は売却する選択もあります。

    売却を相談するなら、老朽化している築古アパートも扱っているワケあり物件専門の不動産会社がおすすめです。

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