越境している不動産を売買する際の3つの方法 トラブル回避のポイント
越境している不動産を所有している人の中には「通常の不動産のように売買できるのか」「越境したまま売買してトラブルにならないか」などの不安を感じている人もいるでしょう。
ここでは越境している不動産を所有する人向けに、物件を売買する際に役立つ知識をお届けします。
越境している不動産とは?よくあるケースは?
越境している不動産を売買するには、まず「越境不動産の基本知識」を抑える必要があります。
その内容を確認してみましょう。
越境している不動産とは、お隣の所有権を侵害している不動産のこと
そもそも越境している不動産とは、所有している建物の一部や庭木などが、隣地所有者の所有権を侵害している不動産のことです。
現時点でトラブルになっている否かに関係なく、所有権を侵害していることに変わりありません。
たとえ今は隣地所有者との関係が良好でも、将来のトラブルリスクがあるため、越境している不動産を売買するには細心の注意が必要です。
越境している不動産のよくあるケース
ひと口に「越境している不動産」といっても、様々なパターンがあります。
ここでは次の4つのよくあるケースをご紹介します。
・庭木が越境している
・建物の一部が越境している
・給排水管が越境している
・塀が越境している
[庭木が越境している]
たかが庭木と思われる人もいらっしゃるかもしれませんが、枝や根が越境してトラブルになるケースがよくあります。
このとき、根と枝では扱いが違うため注意しましょう。
まず、根が所有権を侵害している場合ですが、越境されている隣地所有者でも切除することが可能です(ただし、具体的な被害を受けている場合に限る)。
一方、枝が所有権を侵害している場合、越境されている隣地所有者では切除できません。
例えば、越境している枝の落ち葉によって「雨どいが詰まる」といった理由があれば、庭木の所有者に対して枝の切除を相手方に請求できます。
なお、2021年4月の民法改正において、越境されている隣地所有者でも所有権を侵害する枝を切除できる特則が追加されました。
ただし、以下の条件のときに限られます。
・竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき
・竹木の所有者を知ることができず、またはその所在を知ることができないとき
・急迫の事情があるとき
引用:民法233条3項
[建物の一部が越境している]
建物や屋根の一部などが越境していてトラブルになるケースもあります。
この場合、越境を放置したまま、あるいは、買主に十分な説明がないまま不動産を売却してしまうと、深刻なトラブルになる可能性があるため要注意です。
[給排水管が越境している]
給排水管が越境していることでトラブルになるケース例としては、土地を購入したところ、隣地の排水管が埋設されているため、建物の建設に支障が出るなどが挙げられます。
[塀が越境している]
築年数の経っている不動産の場合、隣地との間に設置された塀が境界線を越えているケースがよく見られます。
この場合も放置したまま売却するとトラブルになりやすいです。
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売却・物件再生・買取・引取
越境している不動産を売買する方法とポイント
越境している不動産を売買する方法には、次の3通りがあります。
・越境を解消して売買する
・覚書を交わして売買する
・分筆して売買する
いずれの方法を選択する場合でも、売却前に境界線を確定させたり、越境の状況を調査したりすることが重要です。
なぜなら、境界線や越境の状況が分からなければ、隣地所有者との話し合いができないからです。
また、越境している状態のまま不動産を売却する場合、買主に適切な情報提供ができません。
これを踏まえて、それぞれの方法の内容を確認していきましょう。
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方法1:越境を解消する
越境している不動産を売買するのにベストな選択肢は、「庭木を切除する」「建物の一部を修繕する」などの対応で越境している状態を解消することです。
これにより、越境されている隣地所有者や買主とのトラブルリスクを回避できます。
ただし、越境を解消するために隣地に入る際は、隣地所有者の許可を必ずとりましょう。
方法2:覚書を交わして売買する
越境している状況を解消するのが難しいケースでは、隣地所有者と覚書を交わした上で売却する方法もあります。
例えば、屋根の一部が越境しているなど、修繕が難しい状況ではこの方法を選択するとよいでしょう。
なお、契約書と覚書の違いは下記の通りです。
契約書 | ・当事者同士の契約を証明する書類 |
---|---|
覚書 | ・当事者同士が合意した内容をまとめた書面 |
ただし、覚書を交わすには、隣地所有者と良好な関係であることが前提となります。
疎遠だったり、別のトラブルで揉めたりなどのケースでは、覚書を申し入れること自体が難しいかもしれません。
不動産の越境に関する覚書の決まった形式はありませんが、少なくとも以下の項目を含んだ内容にするのがよいでしょう。
・覚書を交わす当事者が越境の事実や状況を認識しているか
・越境の状況はどうなっているか
・越境している構造物を誰の責任で管理するか
・越境部分の地代が発生するか
・売買や相続で所有権が移転しても、覚書の内容が第三者に継承されるか など
越境している土地を売買する場合、とくに最後の項目を覚書に含めることが重要です。
第三者に覚書の内容が継承されなければ、売却後に買主と隣地所有者との間で改めて覚書を作成する必要が出てきます。
隣地所有者がこれを拒否した場合、トラブルになりかねません。
方法3:越境部分を売買する
現実的に越境を解消するのが難しい場合、越境している部分の土地を分筆して隣地所有者に売買する方法があります。
とはいえ、この方法はデメリットが大きいため、慎重に判断した方がよいでしょう。
対象の土地を複数の土地に分割して登記をする手続きのことです。土地の単位は「筆」で、1筆、2筆、3筆……と数えます。すなわち「筆を分ける=分筆」となります。
越境している部分のみを売買するデメリットとして、分筆することで土地が変形したり、土地面積が狭くなったりすることが挙げられます。
これにより、土地の資産価値が下がったり、建物の建ぺい率や容積率の基準外になったりする恐れがあります。
また、越境している側から売買を持ちかけても、隣地所有者に断られたり、相場よりも安い金額になったりする可能性があります。
EINZなら越境不動産の状況に合わせて、コンサルやサポートが可能!
この記事を読むことで、次に挙げる3つのことをご理解いただけたはずです。
・ひと口に越境している不動産といっても、様々なケースがある
・売却する前に境界線を確定させたり、越境状況を調査したりなどが必須
・越境している不動産を売却するに、3つの方法がある
不動産再生・活性化を専門とする株式会社EINZ(アインズ)では、越境している不動産について以下のようなコンサルやサポートが可能です。
・越境している不動産についてのご相談
・越境している不動産再生のご提案
・越境している不動産の仲介・買取・引取 など
私たちにお任せ頂ければ、越境している不動産の状況に合わせて適切なコンサル・サポートが可能です。
お困りの方は、お気軽に下記のリンク先からご相談ください。
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