借地権は売れるの? 売却事例を解説
借地権の相続でお困りの方々へ
相続により引き継いだものの、売却が難しく、悩みの種となることの多い財産のひとつが借地権です。
借地権を相続した場合に起こりうる問題と、当社が問題解決にお役に立てることについて、所有者や士業の方からいただいた相談事例をもとに紹介します。
借地権はどうすれば売却できる?
借地権を相続した際に多い問い合わせとして、
「借地権は地主に返さなくてはならないのか」
「借地権は、どうすれば売却できるのか」
「借地権の買い手を探すにはどうすればよいのか」
といったものがあります。
まず、借地権を相続した場合、特別な契約がない限り地主に返す必要はありません。
ただし、原則として借地権を譲渡するには地主の承諾が必要となります。
地主に無断で借地権を譲渡した場合、地主は借地契約を解除できます。
しかし、契約で譲渡が認められていたり、譲渡承諾料が定められている場合もあります。
借地権に関する契約内容がわからなくなっていることは非常に多く、その問題が相続によって表面化することになります。
まずは、土地賃貸借契約書など借地権に関する書類を集め、内容をよく確認することが大切です。
地主との交渉で思わぬトラブルが
借地権の相続で決定的に重要となる地主との調整。
承諾を得ることができなければ、裁判により認められない限り、売却ができなくなります。
深く考えず地主との交渉に臨み、悪感情を持たれたことで、まったく身動きができなくなることも多いようです。
契約書に譲渡承諾料が設定されている場合も安心できません。
たとえば、譲渡承諾料は、借地権の〇%といった形で設定されていることが多いのですが、この借地権の価格をどのように計算するのかが明確ではない場合も多くあります。
計算方法により承諾料の額が大きく変わるため、適切に話し合い、余計な費用をかけないようにしたいものです。
借地権は長期にわたることが多いため、更新時期がわからなくなっていることも多いようです。
借地権は20年で設定することが多いのですが、自動更新を繰り返している場合、いつ更新料を支払う必要があるのか、無駄に払っていないか、といったことを調べておいたほうがよいでしょう。
そして、法的に売却ができる状態になっても、エンドユーザーを探すことはラクではありません。
仲介会社にも借地権の取引経験がある人は少なく、市場価格もわかりにくいため、処分する意思はあるものの、なかなか動いていかないのが現実です。
借地権の空ビル売却取引事例 その1
所在地 | 23区内 |
---|---|
不動産の概要 | 借地権の空ビル 外階段として建築確認を取得していたが、実際は内階段にしてしまい、建蔽率、容積率ともに超過した違反物件。 |
売主の希望 | 資金が必要となり、至急換金化を希望。 取引において細かい条件を付けず、何も言わずに買って欲しい。 |
当社が行なったこと
築古、違反、再建築不可、この要素が含まれる不動産は担保評価に値せず、そのため金融資産としての価値は激減してしまいます。
本件は違反物件のため融資を受けにくいのがハードルとなるので、5階建の鉄骨造が建っていますが、借地権割合の土地値で取得しました。
案件をご相談いただいた不動産会社が借地権に不慣れだったこともあり、地主に対するアプローチ、交渉方法、必要書類等、当社が主導になり進めました。
「売りたい」と思っても、まずはどのようにすれば良いのかわからない人が多いのが借地権の大きな課題です。
譲渡先として当社を認めてもらい、譲渡承諾料や更新料、期間、測量等、一つひとつ条件をクリアしてから購入となります。
場所柄、投資用不動産の需要が高く、バブル気味な状況でしたので、賃貸として賃借人を埋めるほうが売りやすいけれど、売主は実需の需要も捨てず空のままでの売却を決断しました。
この場合、売れるまでのランニングコストが積み重なります。
当社のような不動産業者が個人のお客様へ売却すると2年間の瑕疵担保責任を負うこととなります。
そのため、屋上防水や外壁補修をしっかり行ない、室内は全面的にリフォームし、すぐ賃貸に出せる状態まで仕上げました。
結果、実需利用のお客様がノンバンクを利用し購入されました。
個人が売主として同様に手を加えることは手間が多く資金も必要なので、やはり同価格帯での売却は難しかったであろうと思います。
不動産会社売主、仲介手数料の支払い、2年間の瑕疵担保責任、の3つの条件が重なることで、1人のお客様と良縁を持てたと考えています。
後日談ですが、売却後、しっかりと行なっていたはずではありますが、台風や豪雪により外壁から雨漏りがありました。
築年数が古ければ古いほど、表面をどれだけ補修しても、内部の腐食や老朽化が進んでおり、対応しきれない点が出てきてしまいます。
やはり長期の瑕疵担保という責任は重責です。
天災からは逃れられません。
借地権の空き区分店舗の売却取引事例 その2
所在地 | 23区内 |
---|---|
不動産の概要 | 借地権の空き区分店舗。 |
売主の希望 | 生前親が小売店として利用していたが、亡くなってしまった今、利用しておらず、現状のまま手放したい。 |
当社が行ったこと
借地権というだけで、売るものも買うものもハードルが上がります。
借地権は土地を買い取らない限り、いつまで経っても完全なる自分の所有物とはなりません。
所有権と比べると絶対的な需要が少ないため、どうしても流通価格は割安となってしまいます。
本件は仕上がりの原価で、想定される利回りが13%程度で取得します。
投資用不動産としての需要が高く、賃貸として賃借人を埋めることも考えましたが、比較的規模が小さいので実需の需要があると判断し、空のまま売却を行います。
また、借地権×空店舗×区分、この時点で外部からの需要は見込みにくく、購入者は地域を知るものと絞りました。
軽飲食、オフィス、コンビニのような小売り店、倉庫、いかなるジャンルにも対応できるようスケルトン状態に仕上げます。
結果的に地元の企業が、想定する利回り9%程度で購入し、現在はランドリーとして賃貸し保有しています。
こちらも後日談ですが、引渡し後、屋上から雨漏りがありました。
当マンションは、自主管理であり、専有部分に付帯する箇所の補修は自己負担だったため、当社の責任と負担において対応しました。
古いものは、やはり見えない部分で負うリスクが大きいです。
借地権に関するEINZの強み
当社には、借地権に関する業務経験が数多くあります。
借地権の処分について、決定的なポイントとなる地主への交渉に関するアドバイス、関連書類と契約内容の確認、また仲介によるエンドユーザー探し、買い手との調整など、全般にわたって行なうことができます。
そして、当社の大きな強みが、コンサルティングや仲介だけではなく、借地権の自社購入が可能なこと。
当社が直接買い取れば、早く換金することができるだけでなく、一般のエンドユーザーに売却した場合に起こりがちな売却後のトラブルも防ぐことができます。
借地権の相続でお困りの方、ぜひ当社にお問い合わせください。
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